HGST、垂直磁気記録方式で世界初の記録容量10TBを実現したHDD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20151202_733406.html
米HGSTとWestern Digitalは12月2日(現地時間)、エンタープライズ向け3.5インチHDD「Ultrastar He10」の出荷開始を発表した。
Ultrastar He10は、エンタープライズ向けの大容量HDDで、ヘリウムを充填した「HelioSeal」プラットフォームの第3世代製品となる。
同社はすでに、シングル磁気記録(SMR)方式を採用したエンタープライズ向け10TB HDD「Ultrastar Archive Ha10」を提供しているが、本製品では、方式上ランダムライトにボトルネックを抱えるSMRではなく、従来の垂直磁気記録方式(PMR)を採用し、同方式のHDDでは世界初となる記憶容量10TBを達成した。
現行のヘリウム充填HDD比で25%の容量増加と、従来の非密閉型の垂直磁気記録HDDと比べて、56%の消費電力低減を実現しており、環境に配慮したデータセンター構築を可能にするとしている。
DD-RESCUEより
シングル磁気記録(SMR)方式=瓦記録方式とヘリウム充填HDDについてはすでに紹介したが、今回の発表は瓦記録方式ではなく、ヘリウム充填による消費電力削減効果だけを利用して、内部に収めるプラッタを今までの4枚から7枚に増やした結果である。ヘリウム充填HDDは、空気中で開封して部品交換作業をすることは不可能であるため、安易に導入することはお勧めできない。
それにも関わらず紹介するのは、多分これが今まで続いたHDDの大容量化の流れの最後になると予測したためである。勿論、HDD製造各社は更なる大容量化を目指して色々な技術を研究し発表している。
例えば、数年以上前から言われている「熱アシスト記録方式」だが、某HDDメーカの内部の偉い人に聞いた話では、「製品を作ることはできるが、価格的な問題があるので、製品化して発売することは可能性が低いと言わざるを得ない」そうだ。これは多分、もう一つの大容量化の技術として聞こえている「パターンドメディア」でも同じことなのではないだろうか。
SSDの低価格化とHDDの大容量化によるコスト上昇をどう抑えるかの競争によって結果が決められることになるのだが、DD-RESCUEは、最終的にはSSDに分があると推定しているのです。