最も基本的でありながら、よく理解されていないところを解説【ハードディスクの起動シーケンス】
某巨大掲示板に良く出てくる話。
BIOSで認識されているのですが、デバイスマネジャでは認識されなくなってしまいました。論理障害だと思うのでデータ復旧ソフトを使ってサルベージしたいと思いますが、どのソフトを使えばよいのでしょうか?
DD-RESCUE より
BIOSで認識されればハードディスクは正常に動作している・・・ 一体何年前までの話?
ハードディスクは電源が入ると、勝手に動作を始め、起動シーケンスと呼ばれる動作を実行します。そして、パソコン本体では、電源が入ると、BIOSが起動し、BIOSが定められたシーケンスを完了すると、OSのシステムファイルがあるドライブを探しに行き、BootローダがOSが見つかると、そのOSを読み込んで動作を開始します。
その一番初めのBIOSの役目は、パソコン本体(マザーボード)にどんなインアウトシステムが接続されているのかを検出することで、順番に接続ポートから、「あなた誰ですか?」信号を送り、「ハイ、○○のXXXXという、×TBのハードディスクです!」のようなシステムIDが返ってくるのを確認して、その結果を起動したOSに引き継ぐことにあります。ですから、この「システムIDが返って来た」=機器が正常に動作していることにしている訳です。
そして、ハードディスクの場合、昔はその「システムIDがハードディスクの円盤上に記録されていた」ので、正常に動作しないと当然システムIDを読み出すことが出来ないので、BIOSで認識することが出来ないことになっていたのです。
しかし、最近はメモリーの価格が安くなったために(昔は、4MBのメモリーとマザーボードの値段が同じくらいしていたのです!)ハードディスクの基板上のメモリーにシステムIDを持たせることが増えてきたので、電源を入れるだけで、円盤上のデータを読むこと無くハードディスクがBIOSにシステムIDを返してしまい、BIOSでは認識しているにも関わらず、ハードディスクが故障している(物理障害)という事例が発生しているのです。ですから、データ復旧ソフトは役に立ちません。