最も基本的でありながら、よく理解されていないところを解説。
データ復旧業者の取り扱う物理障害で一番多いのは何?
DDRescue より
一番目に多い・・・「リードエラー」
二番目に多い・・・「ファーム系」
三番目に多い・・・「ヘッド不良」
「リードエラー」の割合が全体の約半数を占めています。初めにお客様の問い合わせを受けて電話などで詳細な状況を聞いていると、「バッドセクタ」と思われていることが多いのですが、実際に調査をしてみると、本当にプラッタに書き込まれているデータに、劣化や損傷が起こって読み取れないことは少なく、データ復旧業者の使う専用の設備や装置、クローン作成ソフトなどを使うと読み取ることが出来てしまうので、本当は「バッドセクタ」ではなくて「リードエラー」であると判定しています。リードエラーの発生する原因は色々とあるのですが、最近のHDDの記憶容量が非常に大きくなり、トラック密度が高くなっていることも原因の一つです。実際のトラック密度がどのくらいになっているかというと、1ミクロン当たり10トラックを越えて14トラック位になっています。ですから、HDDにも、リードエラーの発生を防ぐために、リードリトライと呼ばれる色々な機能が用意されていて、それが自動的に動作することで、ほとんどのリードエラーは解消されてしまうので、ユーザがリードエラーの発生に気が付くことは無く、S.M.A.R.Tにも記録は残らないので、実際の発生頻度を知ることは出来ませんが、「リードエラー」は日常的に発生していると考えた方が良いのです。そして、その「リードリトライ」機能でも回復できず、繰り返し発生してしまう「リードエラー」が稀に発生してしまうので、「バッドセクタ」と思われ易いのですが、データ復旧業者の使っている専用の設備・装置・ソフトを利用すると、ヘッド交換などをしなくても、プラッタ上に書き込まれている情報自体には損傷が無いので、時間を掛けることで読み出すことが出来てしまうので、「リードエラー」となり、読み出したデータに障害のある「論理障害」ではなく、HDDの「読み出し機能」が原因の物理障害の判定となるのです。